英語学習のヒント

奥様は英語学習者「マダム・イン・ニューヨーク」

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こんにちは!Tomokoです。

今日は、女性がほっこり元気になれる映画のご紹介です。

邦題:マダム・イン・ニューヨーク
原題:English Vinglish
2012年製作/インド

 

奥様が英語学習者なハートフルストーリー

「マダム・イン・ニューヨーク」は、2014年シネスイッチ銀座にて、確かレディースデーを狙って独りで鑑賞しに行った記憶があります。

告知が出た時から、「なにそれ?!面白そう!」と思っていました。

だって、「歌って踊らないインド映画をどうぞ!」なんて言われたら、どんなの?どんなの?と気になるじゃないですか。

インド映画って、首を左右に振って踊るんじゃないの?と多くの日本人が思っていることでしょう、私もそう思っていましたから。

かなりざっくりしたあらすじを言うと・・・

インドのやや古風な専業主婦が、たまたま親戚の用事でニューヨークに行くことになり、これまたたまたま4週間ほど現地の語学スクールで英語を勉強しました。

以上!というお話です。

これだけだと、なにがどう面白いんだか、さっぱりわかりませんね。

はい、では数々の名言に満ちたこの作品を、少しずつご紹介したいと思います。

あからさまなネタバレを避けつつ、作品の魅力をお伝えします。

インドの専業主婦ってこんなにハードなの?!

ヒロインのシャシ(シュリデビ)は、インドの、まあまあ裕福なおうちの専業主婦のようです。

彼女は結構広いおうちに住んでいるということと、夫のサティシュ(アディル・フセイン)が流暢な英語を操ってビジネスをしているエリートビジネスパーソンとして描かれていた、ところから、まあまあ裕福な家庭の主婦だな、と判断しました。

そこだけ見ると、あら、いい暮らしのできる恵まれた女性じゃないの?!と思うのですが、この夫がかなりの男尊女卑、日本にも未だ生息していそうなタイプの嫌味な男ときています。

精神的にハードモードな状況だなぁ、という印象です。

この嫌味夫は、ところどころ、シャシを見下したような言動をします。

そう、呼吸をするように見下すんです。

「君はでしゃばらなくていい、おとなしくしてろ」と彼女をけん制してみたり、「うちの女房は菓子作りしか出来ない、アハハ~」とゲストの前で言い放ってみたり。。。

私なら絶対その場で反撃するのですが、このシャシ、一瞬複雑そうな顔はするものの、夫にたてつくなどということは一切しません。

なんて奥ゆかしいんでしょう、っていうか、奥ゆかしすぎです!

また、シャシを小馬鹿にするのは夫だけではありません、ティーンエイジャーの長女がこれまた生意気な小娘なのです。

学校では英語で教育を受けているらしく、彼女は英語を話しますが、母親であるシャシが英語を話せないことを、ことあるごとに馬鹿にします。

シャシに感情移入して観ていると、この小娘にも腹が立ってくる始末。(怒・怒・怒)

英語ができない主婦にはニューヨークの風は冷たすぎた

のっぴきらない用事が出来て、英語もできないのに、シャシは一人でニューヨークに住む実姉を訪ねるはめになってしまいました。

ニューヨークに到着して間もなくして、事件は起こります。

英語ができないことを、あからさまにカフェの店員になじられ、なんと奥様、取り乱して手が震えてしまったのか小銭を床にぶちまけ、よろけて他の客に体当たりし、しまいには泣き出してしまうのです。

そして、泣いて店の外に出て行ってしまうのです。(サンドイッチとコーヒー代払ったのに。)

「なんだよ、その繊細過ぎるメンタルは!」とスクリーンの前で静かにツッコミを入れつつ、同時に、キャパシティーオーバーして壊れていく彼女に感情移入をしていくと、ほのかに私も泣けてくるから不思議です。

まあ、でも、実際私がおなじことをくそ生意気なカフェの店員にやられたら、日本語で言い返すんじゃないかと思います。

「はぁ?アンタ偉そうに何なのよ!あたしはベジタリアン用のサンドイッチとコーヒーが欲しいって言ってるでしょ!プロならそれぐらい察してよ。」

ぐらいは言うんじゃないかな。

奥様がセクシーなフランス人にナンパされる?

ナンパじゃないですね、優しく慰めてくれるセクシーなフランス人男性ローラン(メーディ・ネブー)の登場です。

店内で取り乱したシャシを気の毒に思ったフランス人男性ローランが、サンドイッチとコーヒーをもってシャシを追っかけてくるのです。

なんて紳士なの!と心がほっこり、同時に胸がときめく場面がやってきました。

映画はこうでなければね!

ただ、カタコトの英語を話すセクシーフランス人とのシーンは、シャシが礼を言って終わるのです。

でも、これは伏線であって、数日後、シャシの思いつきと勢いで入校した「4週間で英語が喋れるようになるクラス」でシャシと彼(ローラン)は再会するんです。

そんな馬鹿な!www

でも、ここで彼と再会しないと、このドラマ、ここで終わっちゃいます。

いいんです、ちょっとできすぎですが、こういう偶然は全くないとは言えませんし、シャシが自由を手にするために必要な出会いだったんです。

神様が引き合わせたんです、きっとそうです、そうに違いありません。

多様性に満ちた英会話クラスだけど4週間では無理でしょ?

シャシが思いつきと勢いで入校した英会話クラス、生徒の国籍も、いい感じでばらけていて、できすぎ感満載ですが、いい感じなんです。

クラスメイトにはフランス人シェフであるローランのほか、シャシと同じインド人ITエンジニア(男性)、メキシコ人のベビーシッター(女性)、韓国人の美容師(女性)、パキスタン人の運転手(男性)、それとアフリカ系でしょうか、寡黙で自分のことをあまり語らない男性もクラスメイトです。

さらに先生はアメリカ人男性で、ゲイという設定。

これでもか!というぐらい多様性を持ち込んだこのクラス、いい感じにカオスで楽しいのです。

いいなぁ、私も入りたい。

映画のラストでは、クラスメイト全員が、数分程度のスピーチの試験を受けて合格するのですが、初期のころの教室の様子はとてもそんなレベルではなく、例えば、「自分の名前にはTheという冠詞はつけないんだ」「えーー!?そうなんですかー」というやり取りするレベルです。

オイオイ!という感じ。

これが4週間後には立派にスピーチができるようになるとは・・・うーん、ちょっと無理があるかな。(笑)

ロマンスに毅然と背を向ける美女

この映画には、名言、と言われるものがいくつかあるのですが、私はあえてこれを選びます。

恋は要らないの 欲しいのは 尊重されること

シャシに恋し、公衆の面前でポエムのような愛を(カタコトの英語で)語り、ロマンティックにムンムンに攻めてきたローランを、シャシはあっさり振ります。

シャシは人妻であり、母親だから、身をわきまえて分別のある行動をとったのでしょうか?

私は違うと思います。

「あら、このフランス人男性、セクシーで素敵♪」「なんかロマンス始まっちゃうわけ?(ドキドキ)」と思っていたのはスクリーンの前の私だけであって、シャシは本心から恋には興味がなかったんだと思います。

それは相手が誰であっても、です。

たまたまローランが好みのタイプではなかった、とか、そういうことでは決してありません。

シャシは、人間として尊重されることは欲していても、女性として恋焦がれられることにはまったく価値を見出していなかったのだ、と、私は理解しました。

これ、マジかっこいいです!

しびれます。

ゴージャスなサリーを着た美しき人妻が、毅然とロマンスに背を向けるんですよ。

これをクールと言わずして、何をクールというのでしょうか。

男女逆バージョンでもかっこいいと思います。

例えば、美しく魅力的な女性が「好きです」と言っているのに、「人間としての尊重しか要らない、恋愛は要らない」なんていう男性がいたら、本当に素敵ですよ。

「あれ?これハニートラップかもしれないな、危ないから避けておこう」と計算したり、欲望はあるけれど社会的体裁を考えて身をわきまえる、ということではなくて、ホントにホントに恋愛には関心がない、と言い切れる男性がいたら、かっこいいと思うのです。

自分を救えるのは自分

この映画のもう一つの名言を挙げるとすると、

自分を救えるのは自分
Nobody can help you better than you.

です。

夫のサティシュと生意気な長女、それとまだちびっこの長男は、シャシに数週間遅れてニューヨークにやってきます。

最後のシーンは、親戚の結婚式のシーンです。

そこで、「シャシ叔母さん、スピーチを・・・・」とシャシはスピーチを促されるのですが、なんとここで、あの男尊女卑の夫がスクッと立ち上がり、「すまんね、妻は英語ができなくて・・・」なんて勝手に言い出すんです。

なんなのよっ!

勝手に場を仕切ろうとした夫をやさしく制するシャシ。

そしてシャシのつたない、けれど、どこかジーンとくる英語のスピーチが始まります。

そのスピーチの中のワンフレーズが、「自分を救えるのは自分(Nobody can help you better than you.)」なのです。

これまで、夫がいないと何もできなかった世間知らずの主婦が、ほんの少しだけ自立した、人間としての自信を取り戻した、そう自分に言っているようにも聞こえます。

このスピーチを聞いて、唖然とする夫サティシュ、感動してグシャグシャに泣き出す長女、そしてなぜか4週間前に出会ったばかりの英会話クラスのクラスメイトと先生までもが、この結婚式に参列しており、全員シャシのスピーチに心打たれ、涙ぐむのです。

ここでシャシは、夫と長女のこれまでの傲慢さを、優しい愛で打ち負かしたのです。

この映画の後味が、すっきり爽やかなのは、このシーンのせいです。

愛のしるしはお菓子の数?

突然の妻の成長に、仰天して言葉も出ない夫サティシュ。

彼は、妻の「友人」であるローランが、彼女に恋をしていることも、二人の様子を見て咄嗟に察します。

そして、「まだ僕を愛しているかい?」と不安そうな顔でシャシに尋ねるのです。

このシーンにきて、ようやく、「サティシュ、可愛いところもあるじゃないの!」と思えました。

飼い主に見捨てられるのを恐れているワンコのような目で、シャシを見つめ、先の質問をするのです。

それに対する答えが・・・・

「愛してなければ(お菓子)を2つもあげないわ」

なのです。

うーん!やられました。

確かに、シャシの親戚結婚式に(飛び入りで?)参加しているローランには、ラドゥ(インドのお菓子、シャシが作った)を1個しかあげていませんでした。

でも、サティシュの皿の上には、シャシはラドゥを2つ置いたのです。

こんな気の利いた返し方、よほどクレバーな女性じゃないとできません。

ラドゥ

ラドゥってこんなお菓子

ロマンスに食傷気味のときに観たい映画

とにかく後味が良い作品です。

人間の機微を丁寧に描いたハートフルな映画を観たくなったら、「マダム・イン・ニューヨーク」おススメです。

特に女性がイキイキと描かれており、ヒロインシャシ役のシュリデビの美しさはさることながら、この物語の重要な脇役であるヒロインの姪役のプリヤ・アーナンドがコケティッシュで超美女。

また、英会話クラスのキャラクターもそれぞれ魅力的で、メキシコ人エヴァは愛くるしく、華奢で色白の韓国人ユソンも可愛いです。

見終わったあと、女性が元気になれる映画です!

 

 

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